西国三十三観音霊場巡りの旅 観音正寺(結縁御開帳)

観音正寺(結縁御開帳)

巡礼記

訪問日:平成21年10月4日

この日の西国三十三所観音巡り(観音正寺、長命寺)はお寺めぐり友達の方々とジャンボタクシーに乗っていきました。まずは観音正寺からです。途中までは順調に行ったのですが、上の駐車場が満杯だそうで、駐車場が空くまで50分程ほど車内で待つことになってしまいました。観音正寺の御開帳は9月からですので、それほど混んでないと思ったのですが、長命寺の御開帳が10月だけなので、長命寺と合わせて巡る人がたくさんいるのだと思います。私もその一人ですが。

やっと上の駐車場に駐車でき、いよいよお参りです。本堂に向かって歩いて行くと前回の訪問でも見た為になる一言が書かれた札がありました。また結神社から登ってくる道があり、「前回はこの道を歩いたんだ」と思い出しました。

本堂に着くと結縁綱に触れた後、内陣拝観の列に並びました。内陣拝観は自由に拝観できるのではなく、お寺の方の先導の元、何人かに分けて拝観するシステムでした。また内陣拝観には300円が必要ですが、先達は無料とのことで、無料で内陣拝観をすることができました。

本尊の千手観音像は光背が小さな手の集合からできていました。脇侍として、婆藪仙人(ばすせんにん)、功徳天(吉祥天)が祀られていました。大仏師と呼ばれている松本明慶氏の作です。

胎内仏の千手観音像も直接拝観出来るようになっていました。観音正寺の御本尊は秘仏ではないので、こちらの胎内仏を拝観出来るのが今回の結縁御開帳の一番の売りかも知れません。

三十三所観音曼荼羅があり、西国三十三所の観音様と釈迦三尊、そして聖徳太子が描かれています。聖徳太子を開基とする観音正寺ならではの曼荼羅です。また、脇侍として、婆藪仙人、功徳天を従えた千手観音仏画もありました。こちらの婆藪仙人は虎を踏みつけているので、怒る阪神ファンの方もいらっしゃると笑いながら冗談を言っていました。平成五年に観音正寺の本堂は焼失しましたが、上述の二つの仏画は博物館に貸し出していたので、無事だったそうです。

最後に内陣拝観のメインイベント(?)である御本尊の御身拭いをしました。内陣拝観時に頂いた白い大きな散華で観音様の体を拭いました。

お堂を出た後、途中にあった天台鳥薬茶の接待を受けました。秦の始皇帝の命により、不老不死の霊薬を求めて三千人を引き連れ、徐福一行が発見したのが「天台鳥薬」という薬木だと伝えられているそうです。

帰りも上り、下りのすれ違いによる渋滞で下山するのに随分時間がかかりました。その時、車内で話した内容により、内陣拝観時に引率するお寺の方により話す内容が随分、違うということが分かりました。別のグループで内拝した方は私が聞いていない話を聞いていました。

今回の観音正寺は渋滞のため、駆け足での参拝となりました。観音正寺は来年の4月と5月にまた御開帳があるのでその時に訪れたいなと思いました。

仁王像と御開帳案内

仁王像と御開帳案内

本堂

本堂

訪問日:平成22年5月8日

上の巡礼記で「また訪れたい」と書いてあるように再度、御開帳期間中に観音正寺を訪れました。前回はジャンボタクシーに乗って訪問しましたが、今回は公共機関を使用していますので、JR能登川駅で下車し、そこから八日市駅行きの近江バスに乗車し、バス停「観音寺口」で下車しました。バスの本数は一時間に二本程度ですので、予め時間を調べておきましょう。

バス停から結神社に移動し、その境内にある参道(山道?)を登って、観音正寺を目指します。軽い山登りですが、上醍醐ほどではありません。途中の休憩所のような場所から眺めを楽しんだり、途中にある巨石の不思議さに驚きながら、四十分ほどで登り切りました。

登り口

登り口

参道

参道

休憩所からの風景

休憩所からの風景

巨石

巨石

本堂に向かって境内を歩きますが、前回の御開帳時の訪問に比べて参拝の方の数が少ないです。やはり、前回は長命寺と合わせて拝観する方が多かったのでしょう。

堂内に入ると前回のような内陣参拝を待つ人の列は見られず、受付で内陣参拝を申し込むと今回も先達は無料で、代わりに記帳をしました。受付で結縁綱と白檀紙散華を頂き、内陣参拝前にお寺の方が結縁綱を手首に結んで下さいました。

この日は良い天気だったのでお堂の中は少し暑かったですが、内陣に入るとひんやりとしており、空気が違うように感じました。千手観音坐像の光背は千本の手から構成されていますが、その手の予備を近くで見せてもらいました。光背の手を見るとそれほど大きくは感じませんが、実物は女性の手ほどの大きさで、結構大きいです。また、匂いもかがせてもらい、白檀の匂いがしました。本尊の千手観音像は白檀でできていますが、脇侍の婆藪仙人、功徳天はそうではないそうです。

胎内仏の千手観音立像も安置されており、こちらも白檀でできているそうです。現在の御本尊は坐像ですが、胎内仏は旧本尊がモデルなので、立像となっています。旧本尊の写真がありましたが、美しい観音様でした。胎内仏の後ろに千手観音曼荼羅が掲げられていましたが、現在の御本尊はこちらの曼荼羅の観音様をモデルにしたそうです。但し、曼荼羅の観音様は25面ある、印相が二つあるなど西国三十三所の観音様と違うところがあるので、そこは修正したそうです。

また、人魚のミイラの写真もありました。火災で失われてしまったのが本当に残念です。インド釈迦八大聖地のお砂もあり、前回訪れた時から展示物が増えていました。

内陣参拝の最後は白檀紙散華で御本尊の千手観音像の御身拭いをしました。失礼かも知れませんが、観音像の匂いをかぐと白檀の匂いがしました。

本堂を出た後、境内に祀られている白蛇大明神、釈迦如来像、北向地蔵尊にお参りをしました。最後に前回も頂いた天台鳥薬を頂きました。なんとなく、甘茶に味が似ており、とてもおいしかったです。

今回のお参りは前回の大混雑時に比べて、良いお参りができたと思います。前回には気づかなかった点もいくつかあり、「観音霊場巡りは楽しいな」と感じながら、下山しました。

仁王像

仁王像

本堂

本堂